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根本和馬の人生相談

Q、仕事の限界を感じた事ってありませんか?
奈良県 歯科衛生士 せい小太郎 さん
今、私はスタッフに、院長にも恵まれていて、毎日楽しく仕事をしています。でも、歯科という狭い業界の中で、自分をもっと生かしていきたいと思っているんですが、なかなか・・・
根本さんはコンサルタントをしている中で、自分の限界を感じた瞬間ってありますか?

A、「自分の限界の決めるのは自分。可能性を広めるのも、狭めるのも自分」このように常に自己責任という考えをベースに置く事で、次第に自分の可能性が広がっていきます

私がこれまでコンサルタントとして、歯科界だけではなく多くの人達と出会ってきましたが、話をしている中で共通点がある事に気付きました。それは

「活躍している人ほど、その業界の可能性を信じているという事」です。

そのような人は決まって「うちの業界はこれからますます発展するよ!」と非常に生き生きとした表情で話をされます。

ここがひとつポイントなのですが、このように話をしている人だって、常にプラス発想な訳ではないだろうという事なんですね。ひょっとしたらひとり家路に着く際に「この業界って先行きどうなるんだろうな…」と、その可能性を疑問視する事だってあると思うんです。ひょっとしたら家庭では「オレの扱っている業界って、将来性あるのかな…」と、奥さん(或いは旦那さん)にグチをこぼす日だってあるかも知れません。

しかし、物事にはかならず二面性があります。大学生の頃に読んだ、心理学者の河合隼雄先生の『こころの処方箋』という本の中に"ふたつ良いこと、さて無いものよ"という一文がありますが、この文の意味は、要するに「ひとつの物事には、必ず良い面、悪い面の二面性があるんだよ。"良い面だけ"、とか"悪い面だけ"とかというのは、なかなか無いんだよ。でももし"良い面だけ"ってのがあったとしたら、それはそれでラッキーだよね」って事なのですが、この文からも示しているように、物事には必ずプラス面とマイナス面が存在するのです。そんな中で、プラス面に焦点をあてられる人の事を「プラス発想が出来る人」と呼ぶんですよ、という話は以前も、この人生相談でしたと思います。

話を元に戻しますが、このように業界に無限の可能性を信じている人であっても、時にその可能性に疑問を感じるという事は、もちろんあるでしょう。しかしそのような自分を受け入れつつ、プラス発想を自分で心掛けて、新たに奮起しているのだと思います。

これは誰にでもあてはまる事だと思います。

私はこれまで100人以上のスタッフと、30分〜1時間位話をしてきていますが、毎月毎月モチベーション上がりっぱなしという人は、今まで見た事がありません。「先月は元気無かったけど、今月はどうかな?」と心配して会ってみたら、非常に元気になって、モチベーションも高くなっていたというケースもありますし、その逆も然りです。

せい小太郎さんのように、「この狭い業界の中で、これからもっと自分を生かしていけるんだろうか…」と思い悩むスタッフは大勢いると思います。現に私が面談してきたスタッフの中にも、そのようなスタッフがいました。

私はその時の事をハッキリと覚えていますが、上記のように言うスタッフに対して、私はこのような言い方をしました。

「それではあなたは、大きな業界であったら、自分を生かしていけるんですか?」と。

このように問いかけた私には、口にはしませんが、もうひとつの気持ちがあります。それは「小さな業界で活躍出来ない人が、どうして大きな業界で活躍出来るのか?」という事です。

このように問いかけられたスタッフは、私のこの本心を知ってか知らずか分かりませんが、しばらく無言で考えていました。おそらく可能性を狭めている自分に気付きながらも、それを受け入れたくないばかりに、考え込んでしまったのではないかと思います。

せい小太郎さんが具体的にこの歯科の業界の中で、どんな風に自分を生かしていきたいかが、この相談文章の中では分かりませんので、これ以上の具体的なアドバイスはなかなか難しいので、私の実体験をお話したいと思います。

つい先日「これからコンサルタントになりたい!」という希望を持つ人に「根本さんがコンサルタントをしていて、一番辛い事は何ですか?」と質問された際も、全く同じ事を答えたのですが、その答えとは「クライアントのスタッフが医院を辞めていく事」です。

大袈裟でも何でもなく、スタッフが辞めたという事実を知った日のコンサルティングの帰りの道中は、敗北感、自分の力不足を感じなから、家路に着くのです。

「変わらねぇヤツは、何をやっても変わらねぇ」と開き直る事は簡単です。しかし私の所属している経営戦略研究所のミッションは"無限の人に無限の気付きと無限の豊かさを提供すること"なのです。このミッションに則れば、私はこの辞めていったスタッフに対して、ミッション通りの振舞いが出来なかった事になり、この事実は重く受け止めなければならないのです。

しかし今後もスタッフが辞める度に、このように思い詰めたのでは、私の身も心ももちません。短期間にボロボロになるのは明白です。私も息の長いビジネスパーソンでいたいと思っていますので、このようにボロボロになるのを防止する、ひとつの自分の防波堤として、「人を変えるのが、一番難しい」という気持ちを持っている訳です。

せい小太郎さんの御質問の中に「コンサルタントとして限界を感じた事はありませんか?」とありますが、正にこの「人を変える」という事に対して、時に限界を感じているという事が、今の私の偽らざる気持ちです

人を変えられなかった時、スタッフが退職した時、特にこのような気持ちになります。「自分の言い方は本当に正しかったのだろうか?」「もっと心に響くメッセージを伝える事は出来なかったのだろうか?」と自分を責めます。

しかしこのように自分を責めている際も、私はいずれ自分の気持ちを立て直す事を知っているのです。

だって、いつまでも自分を責めていたって仕方ないじゃないですか。
責めようが何しようが、私はコンサルタントを続けていくのですから、立て直さない訳にはいきませんからね。
だってコンサルタントとしてやっていく事を決めたのは自分自身ですから。

歯科界を問わず、私の日々の生活を伝えると、「よくそんな生活続けられますね。辛くなったり、しんどくなったりしないんですか?」と、非常に多くの事から言われます。

このように聞かれた際の、私の答えもきまっていつも同じです。
「続けられますよ。だって自分で選択したんですから
この一言で終わり。

私は何も誰かに拉致されて、無理矢理コンサルタントをやらされている訳ではありません。無理矢理このようなスケジュールで仕事をしている訳でもありません。経営戦略研究所からも「クライアントは必ず○件受け持って、休みは必ず月に○回にするように」と言われている訳でもありません。

私の自己責任の下、クライアントの件数を設定し、休みやその他の時間のスケジュールを決定しているのです。そのような状況下にありながら

やれ「休みがない」とか
やれ「仕事が忙しい」とか
やれ「コンサルタントは大変な仕事だ」とか

嘆いたって仕方ないじゃないですか。だって、自分で選んだんですから。
全て自分で選択した事なんですよ。人から強要されているものではありません。

しかしだからこそ、このようなスケジュールで、コンサルタントとして活動出来ているのです。「この道は自分で選んだんだ」という気持ちが常にあるからですね。

自分で選択しているのに、上記のような不満を言っているのは、私にとって非常にカッコ悪いのです。全くイケてないんです。

だって文句言うのなら辞めれば良いじゃないですか。でもこのような形で辞めたら最後、どんな業界でも二流・三流で終わりますけどね。それでも構わないという事なのであれば、辞めて良いんじゃないか、と自分にも他人にも思ってますからね。

実際ご本人に確認している訳ではないですが、私の上司の岩渕龍正が、勤務していた経営コンサルティング会社を辞めようか、どうしようかを、大学時代のゼミの恩師に相談に行った際に「辞めたって良いんじゃない、でもキミを必要としている人材は、どこにも無いと思うけど」というような事を言われた、と聴きましたが、このゼミの恩師も、先程私の記した、

だって文句言うのなら辞めれば良いじゃないですか。でもこのような形で辞めたら最後、どんな業界でも二流・三流で終わりますけどね。それでも構わないという事なのであれば、辞めて良いんじゃないか

というお気持ちがあったんじゃないかと思っています。

さて、せい小太郎さんはどうですか?

なぜ歯医者で働こうと思ったのですか?
なぜ歯科衛生士になろうと思ったのですか?
歯科衛生士として、どのような将来を夢見ているのですか?
その夢は、いつ頃実現出来ると思いますか?
その夢を実現する為に、今まさに具体的に取り組んでいる事は何ですか?

それらは全て自分自身で選択した、と胸をはって言えますか?
この問いにYesと答えられたら、せい小太郎さんは、業界の大小に限らず活躍出来る人だと、私は思っています。

何やら自分の事を書き過ぎてしまいました。しかし今回のせい小太郎さんからの御質問で、私自身を改めて振り返る事が出来ました。

心から感謝します。ありがとう。

共に勝ちましょう。

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